「囲碁における勝つための方法とは何か?」について考察していきます。

囲碁における勝ち方

自由の奪い合い

あなたは囲碁の対局において勝ちたいですか?

勝ちたいでしょうね、それが人の性というものです。

しかし思うように勝てない人の何と多いことでしょうか。

あらゆる勝負には「勝ち方」が存在します。

それを知らずして、勝負に勝てるはずもありません。

勿論「必勝法」なんてものは存在し得ない、夢物語でしかないでしょう。

とはいえ勝負における「勝ち方」は確実に存在しています。

囲碁に勝つためにはまず「勝てない要因」を探る必要があります。

囲碁に勝てない主な要因は次の通りです。

・ハンデが適切ではない

・ゲーム性を理解していない

・自分のことしか考えていない(相手を見ていない)

これらのいずれに該当しているのか、それを確かめるのが先決でしょう。

誰しも真っ先に疑うのは「適切なハンデ」かどうかという点です。

この点をなるべく平等に統一するために「棋力」という指標を使っています。

ただし囲碁の棋力は正確ではありません。

その日の体調、気持ちによっていくらでも左右されてしまいます。

私としては「好調〇段(級)、不調〇段(級)」と名乗るのを推奨しています。

人によってはすぐに「棋力詐称だ!」「インチキだ!」と声高に主張したりするので、曖昧な棋力のほうがトラブルも少ないでしょう。

曖昧な棋力にどう向き合うのか?

※興味のある方はこちらも合わせてご覧ください。

対局のハンデに問題がないとすれば、囲碁のゲーム性を理解していない可能性があります。

そもそも競技の性質を理解しようとせず、勝負に勝てるわけがありません。

囲碁のルールにおける5つの基本とは?

囲碁と将棋のゲーム性の違いとは?

※詳しくはこちらをご覧ください。

囲碁は限りなく、自由なゲームです。

自由度が高いゲームにおいて、相手と争うのは何だと思いますか?

それは「自由」に他なりません。

相手のしたいことをさせない

相手のできることを減らしていく

相手のやらなければならないことを増やす

これらの制約を課すことにより、相対的に「自由」を手にすることができます。

囲碁のゲーム性を理解するには「基本ルール」を把握しておくのが必須でしょう。

すなわち「交互に打つ」「石を取る」「最後に地の多いほうが勝ち」です。

「着手禁止点(眼)」と「同形反復禁止(コウ)」はゲームを成り立たせるために必要なものですが、今は割愛しておきます。

相手の自由を奪うために「石を攻める」のが効果的なのはご存知の方も多いでしょう。

「この石が死んだら、損が大きいですよ」と脅しながら、盤上における影響力を強めていきます。

交互に打つゲームなのに、いつの間にかあなたの自由は奪われてしまっています。

なぜなら「先手」を得られないからです。

攻められているうちは「したいこと」をさせてもらえず、「できること」が限られ、「やらなければならないこと」ばかりになります。

一方、攻めている側はご機嫌でしょう。

攻め方によって「地・模様(空間)」や「厚み」を得ながら、先手で打ち続けることができます。

ここら辺を分かっているかどうか、そこが勝ち負けを左右するポイントなのです。

つまり囲碁とは「自由なゲーム」であると同時に「自由を奪い合うゲーム」でもあります。

まずはこの点をしっかり理解しておきましょう。

相手の動向をうかがう

囲碁のゲーム性を理解すれば、おのずと見るべき視点が分かってきます。

囲碁を自由なゲームとしか理解していない人は自分のことしか考えていません。

すなわち「どうやって地を囲おうかな」という発想です。

上手く地を囲うためには、相手をけん制するのが必要不可欠でしょう。

同じフィールドにおいて地を争うわけですから、相手の動きを見ないことには話が始まりません。

いつも勝てないと嘆いている人ほど、実は相手を見ようとしていないのです。

囲碁に勝つとは「相手に勝つ」ことに他なりません。

ここを甘く見ている方が多くいます。

石の形や筋を追って「最善・最強手」を追い求めるのは、勝ちに結びつくかどうか微妙なところです。

陸上競技に例えてみましょう。

10キロマラソンにおいて、あなたのベストタイムが1時間だったとします。

他の走者たちは1時間10分~30分くらいのペースで走っており、普通に走ればあなたの勝ちは疑いようがありません。

しかし1人で走るのと、他の走者がいるのとでは状況がまったく違います。

ただひたすらベストタイムを意識しながら走るのがよいものかどうか、悩ましいでしょう。

1つ言えることは「相手よりも早くゴールに着けばよい」だけです。

無理をして2位との差を広げる必要はどこにもありません。

勝負に勝つとは「己に勝つ」ことではなく、「相手に勝つ」ことを指します。

もし走っている最中に足を挫いてしまったら、どうしますか?

そういう不測の事態に備えて、あらかじめ後ろとの差を大きく開けておくのも1つでしょう。

しかしまずは「足を挫かないように」気を付けながら走ったほうが賢明というものです。

勿論、相手が自分よりも足が速かったら一切妥協せずに全力を尽くします。

要は相手によって勝負の仕方を変えていきます。

言葉では簡単なようですが、これが意外と難しいものです。

あなたが模様の碁を望んでいるとして、相手の出方次第でいかようにも変化する心づもりがなくてはいけません。

模様vs模様、あるいは模様vs地の勝負になったとき、不利なら今までの構想を捨てる覚悟が求められます。

「そんなことは当たり前じゃないか」と言う方は実戦心理をよく分かっていません。

人はこれまで培ってきたものを簡単に捨て去ることなど到底できません。

「せっかく模様を地にしようと思っていたのに荒らされた・・・ショック」という方が大半ではないでしょうか。

これは自分のことしか考えておらず、相手のことを見ていないからそう考えてしまうのです。

囲碁の相対性を鑑みれば、一方的に都合のよい展開は起こり得ません。

何かしら「失った」代わりのものを「得ている」はずでしょう。

模様を荒らされたのなら、相手の石を包囲した「厚み」が残されています。

しかも生きた相手は「後手」となり、こちらは「先手」となります。

そうして得た「厚み」と「先手」を背景に新たな模様を築いたり、相手の模様や地を荒らしたり、弱石を攻めたりすることもできます。

そして次の一手を選択する上で、最善・最強手を選ばずとも勝負には勝てます。

相手より少しでも良い手を打てばよいわけですからね。

常に相手の動向をうかがいながら、次の一手を選択するようにしましょう。

そうすることで、独りよがりで突っ走ることなく余裕を持って盤上全体を見渡せます。

傾向と対策

囲碁に勝つためには「勝ちパターン」を数多く体験し、学ぶことが何よりです。

勝てない人はそもそも「勝ちパターン」を持っていません。

布石でリードして、そのまま逃げきる

中盤戦のごちゃごちゃに乗じて、利益を上げる

ヨセてヨセてヨセまくって、最後の最後にひっくり返す

等々、勝ちパターンは人それぞれでしょう。

よくないのは「借り物」の必勝法に頼ろうとすることです。

あなたの碁を100局ほど検証すれば、おのずと自分自身の勝ちパターンというのは見えてくるはずです。

誰かの打ち方を参考にしたところで、あなたの碁に落とし込めるものではありません。

「棋理を学ぶ」ことと「勝ち方」はまったくの別物と捉えておきましょう。

囲碁における棋理とは?

※興味のある方はこちらも合わせてご覧ください。

棋理に沿って打ち進めていけば、自然と囲碁のゲーム性に合う打ち方になります。

しかし局面を優位に進めることはできても、勝負を決定づける流れを引き寄せることはできません。

この「勝ちの流れ」を引き寄せる力こそ、各々の棋風が最も出やすいところでもあります。

囲碁における棋風とは?

※詳しくはこちらをご覧ください。

あなた固有の「勝ち方」を知るためには「対局データ」が必要不可欠です。

とりあえず100局ほどデータがあれば、どういう碁形のとき勝ちやすいのかはっきりします。

このような検証、研究を真面目に行おうとする方は極めて稀でしょう。

やはり囲碁はお遊びであって、徹底的にデータを分析しようとするのはナンセンスかもしれません。

とはいえ、あなた自身に合う打ち方はあなたの碁から見出すしかないのもまた事実です。

インストラクターに教わる際、上達のために「負けパターン」を教わることはあっても「勝ちパターン」を指摘する方はいないでしょう。

囲碁では圧倒的に「負けルート」の存在が多く、また数少ない「勝ちルート」もあなたに合うパターンではないかもしれません。

こればかりは人に頼らず、自分自身で見出すしかありません。

一番よいのは、勝ちパターンの言語化です。

囲碁における好手は「格言」として現代まで受け継がれてきています。

「ツケにはハネよ、ハネにはノビよ」

「二目の頭(尻尾)見ずハネよ」

「敵の急所は我が急所」

等々、だいたい好手になるパターンは言語化されています。

この言語化のよいところは「次に引き出しやすい」という点です。

あなたの勝ち碁を検証しても、すぐに勝ち筋を忘れてしまいます。

しかし「今回は○○が上手くいった」「このとき○○だったのがよかった」と言葉に残しておけば、たとえ形を忘れてもイメージは残ります。

勝つたび、上手くいくたびに言葉を書き記しておいて、あとから蓄積された言葉を「要約」すればよいのです。

「今日は頑張って切ったおかげで勝てた」

「切りからの戦いを上手く打てた」

「切った石を取られたけど、捨て石として活用できた」

このように勝因をひと言だけ書き残す癖を付けてしまいましょう。

すると上手くいったイメージを言語化し、次の対局にもつなげることができます。

上記のイメージなら

「切って戦い、取られても捨て石」

といった具合です。

「とりあえず切って戦い、最悪でも捨て石として活用しよう」という意図を簡潔にまとめます。

こういう小さな1つ1つの積み重ねこそ、あなただけの勝ちパターンに他なりません。

囲碁における勝ち方とは「自分と相手」の中に存在しています。

「彼を知り己を知れば百戦殆ふからず」とは孫子の兵法です。

相手を見ながら、自分自身の勝ちパターンに誘い込めるようになりたいものですね。