「囲碁を打つときの簡単なコツやヒント」について考察していきます。

囲碁における打ち方のコツやヒント

石取りを意識した空間づくり

囲碁の勝利条件は「相手より多くの地(空間)を囲ったほうの勝ち」です。

「地(空間)」とは「石を取れる領域」であり、たとえ踏み込まれてもいつでも殺せる状態でなければいけません。

つまり「地(空間)を囲う」とは「石を取れる領域を広げる」ということに他なりません。

棋力が上がれば上がるほど「石を取る技術」が向上するため、より大きな「地(空間)」を囲うことも難しくなくなります。

「地を囲う」ことを「石を取る」ことに置き換えると「地(空間)」の正体が明らかになってきます。

例えば布石で「なぜ隅から打ち始めるのか?」もしくは「なぜ3線・4線が重要なのか?」という理屈も理解できるでしょう。

隅から打ち始めるのは「石を取りやすいから」です。

小目+小ゲイマジマリの形なら、内側に入ってきた石を盤端に追い詰めて取ることができます。

また3線・4線が重要になるのも「石を取りやすいから」です。

3線の二間ビラキの内側に入ってきたら、盤端(2線)に追いやることが容易でしょう。

4線は「3線に入られる」ため、盤端の地(空間)を確保しづらくなっています。

その代り中央へ向かう働きもあるので、中央と盤端の両方に睨みを利かせています。

4線は「3線に入らせて」中央に厚み(石の壁)を築くか、あるいは「3線に入らせないように」補強して盤端の地(空間)を確保します。

いずれにしても「地(空間)」を確保するために「石を取る(攻める)」状態を作り上げることが肝要なのです。

ただし石を取るために必要な呼吸点(ダメ)を序盤早々から詰めることは非常に難しいでしょう。

よって布石は中盤に向けた「石を取るための準備段階」と捉えます。

最も相手の石を追い詰めやすい隅~辺にかけて配石していき、場合によっては中央にも石を伸ばします。

「模様」のような辺~中央にかけて懐の広い形を作れば、中盤以降に深入りしてきた相手の石を取ることができます。

「石を取るなんてそんなことできません」という声が聞こえてきそうですね。

心配しなくても大丈夫です。

最初から地(空間)を確保しなくても「最終的に」相手より多くの地(空間)を囲ったほうの勝ちになります。

終局へ向けて交互に打っていれば、自然と空間が狭まって「囲える(石を取れる)空間」ができてくるはずです。

地(空間)を囲うのが下手な人ほど「最初から」地(空間)を囲おうと躍起になってしまいます。

ところが得てして「囲いたい」と思った地(空間)ほど相手に荒らされてしまうものです。

当然ながら「囲う」だけではなく、「囲わせない」のも同等の価値があります。

それに盤上はすべて「情報公開」されていますから、あなたがどこを囲いたいのか相手にすべて筒抜けになっています。

地(空間)を「囲おう、囲おう」とするほど邪魔されてしまうでしょう。

ならばどのようにして地(空間)を囲っていけば良いのでしょうか?

方法としては2通りあります。

・交互に打っていくことを利用して、地(空間)の囲いを「見合い」にする

・囲うと分かっていても入れない地(空間)を「厚み」によって築き上げる

これらは地(空間)を囲うために欠かせない「考え方」および「技術」になります。

同等の交換をする

囲碁には必ず「交互に打たなくてはいけない」ルールがある以上、盤上の好点を独り占めにするなど誰にもできません。

もし上手との置き碁で好点を次々と占められているのだとすれば、それは「不利な交換」を強いられているためでしょう。

「不利な交換」とは2線と1線の交換、3線と2線の交換といった具合です。

4線と3線も「外と内の交換」といって4線に厚みを築くほうが有利になる場合があります。

囲碁における着手の「交換」では、互角になるケースよりも優劣が付くケースの方がはるかに多いのです。

不利な交換を強いられた上に「先手」まで取られてしまっては盤上の好点を次々と取られてしまっても仕方ありません。

対抗策として有力なのは「手抜き」と「反発」です。

部分的な折衝で敵わないのであれば、大局的な「交換」をするしかありません。

仮に「石が取られそう」だとしても「捨て石」と考えて手抜きするのは非常に有力な作戦でしょう。

ただし、この作戦は序中盤にしか通用しません。

石が混み合ってくるとどうしても重要な拠点が決まってきてしまいます。

「死んだら終わり」という状況に陥るのが、中盤戦の怖いところでもあります。

対応せざるを得ないのであれば、相手の言うことを素直に聞かずに「反発」しましょう。

少なくとも相手の思惑通りの展開を避けられるし、攻守の均衡を保つことで「先手」を簡単に渡すこともなくなります。

地(空間)を囲う上で先手の確保は「最優先事項」と言っても過言ではありません。

交互に打つゲームにおいて「自分の手番」が回って来ないことはあり得ません。

しかし不利な交換を強いられて後手に回ってばかりいるのは、実質的に「自分の手番」を放棄しているのと同じことです。

「一間トビの打ち合い」または「石の競り合い(押し合い)」など同等の着手を繰り返していれば、必ず地(空間)を囲う機会が訪れます。

あるいは地(空間)を減らすことになるかもしれません。

囲碁における「囲い合い」や「荒らし合い」は同価値ですから、入られた分だけ入らないと割りに合いません。

「相手の勢力や模様に近づくことなんてできません」という方もいるかもしれません。

しかしそれでは豊臣秀吉の「一夜城」を恐れるのと何ら変わりありません。

まだ厚みの足りない「勢力」や「模様」の状態であるにも関わらず、踏み込みを躊躇するのは下策に他なりません。

特に級位者の方は模様への踏み込みが遅すぎます。

最後の方になってようやく負けを悟り、破れかぶれで入ってきたときには「時すでに遅し」なのです。

見合いの観点からすれば「入られたら、入り返せ」というのは至極真っ当な態度でしょう。

「あなたが地(空間)を囲うなら、こちらも囲いますよ」と主張するのは誰にでもできます。

「下手に入ったら殺されるかもしれない」と考えて躊躇してしまう気持ちはわかります。

とはいえ「地(空間)を囲うゲーム」において「地(空間)に入れない」のは、自ら一方的に不利な条件を課しているだけです。

落ち着いて「見合い」を意識しながら打てば、「地(空間)を囲う機会」も「地(空間)を荒らす機会」も同じように訪れます。

あとはチャンスを逃さないようにしっかりと打っていきましょう。

相対的に厚みを評価する

囲碁における厚みとは「強い石」のことを指します。

主に次の2通りのパターンがあります。

・断点がなく、連絡している石の並び(壁)

・眼形が豊富で生きるのに苦労しない形

「石の囲い合い」に負けないことが前提になっています。

そのため「壁攻め」を狙われるような状況では「厚み」とは呼べません。

眼形豊富な形であっても、眼形を崩されるようなことがあっては一気に「薄み」になってしまいます。

100パーセントの厚みとは「地(空間)」を持った石のことであり、地(空間)とは「100パーセントの厚み」からできています。

「完璧な厚み」を持った石によって、入ってきた相手の石を殺すことができて初めて「地(空間)」を確保できるのです。

よって地(空間)を囲うためにまず必要なのは「強固な厚み」になります。

もちろん厚みをすぐに地として囲うのは効率が悪く、得策とは言えないでしょう。

ただ地(空間)を確保するにあたり、最低限の厚みが必要不可欠であることには変わりありません。

しかし一口に「厚み」と言っても状況次第で評価や判断が異なります。

囲碁は常に「相対的な判断」を求められるゲームです。

つまり重要なのは相手の石との「力関係」であって、厚みを評価するのに味方の石ばかりを見ていてはいけません。

もし味方の石に断点が1つあったとしても、相手の石に断点が2つ以上あるなら「相対的に」厚みと評価しても良いでしょう。

そのため「連絡する」ことだけが厚みを築く手段とは限らないのです。

相手の石に断点を作ったり、または直接切って戦うことによって相手の石を「薄み」に格下げします。

切り合って戦うのは味方の石も「薄み」になる危険がありますが、守ってばかりもいられません。

勝敗は「最終的に地の多いほうが勝ち」と決まっていますから、どうしても「作る」ほうに目が向いてしまいます。

石を連絡して、厚みを築きながら地(空間)を確保するのは「王道」ですが、それは囲碁における1つの側面でしかありません。

石を切断(分断)して厚みを崩しながら地(空間)を囲わせないようにするのも大事な側面の1つなのです。

切り合いになると着手の価値が倍増します。

なぜなら「連絡と切断の要」になっている「種石」を取ることができれば、一気に味方の石を厚みにできるばかりではなく、相手の石を薄みにできるからです。

連絡と切断(分断)の良し悪しはそのまま厚みの価値につながります。

結局のところ厚みが強固なほうが地(空間)を囲いやすくなるので、連絡と切断(分断)こそ戦いにおける「要点」と言ってよいでしょう。

不用意に強固な厚みに近づくのは「石を取られる」危険が伴います。

「石を取られたくない」といって近づいて来なければ、厚みの周辺を「地」として確保することができます。

理屈の上では下手に「近づけない」かもしれませんが、深入りしてきた石を「取るぞ!」という気構えを常に持っていなくてはなりません。

いくら厚みを築いても「石を取る技術」が著しく欠落していては「地(空間)」を囲いきることなどとてもできないでしょう。

囲碁を上手く打つためのヒントをまとめると以下のようになります。

・石取り(攻め)を意識した空間づくりをする

・たとえ反発してでも不利な交換に甘んじない

・厚みを築くのは何も連絡だけに限らず、切っていくことも必要である

これらを一言で表すのなら「積極的に打ちましょう!」ということです。

消極的な態度では自ら選択肢を狭めるだけで何のメリットもありません。

囲碁は「選択すること」こそ一番の醍醐味ですから、今よりもっと積極的な方策を練って実践してみましょう!