「囲碁における地とは何か?」について考察していきます。

囲碁における地

囲碁のゲーム性

今回は囲碁のゲーム性について簡単にお話しします。

上達に関する記事はこれからも書いていくので、まずは簡単に「地とは何か?」ということから説明していきましょう。

さて、皆さんに質問です。

「囲碁は地を囲うゲームですか?」

「それとも石を囲うゲームですか?」

囲碁の「勝敗」は最終的に地の多いほうが勝ちとなります。

囲碁の「ルール」は石を囲ったら取る、いわゆるポン抜きです。

このどちらが囲碁の本当のゲーム性なのでしょうか?

正解はどちらも同じことです。

囲碁において地を囲うことと、石を囲うことはまったく同じなのです。

これを理解せずに打っているアマチュアの方が大半でしょうね。

有段者の方ならこのことに薄々気づいているはずですが、初心者の方に説明するのは難しいと言わざるを得ないでしょう。

囲碁は新しいことに気づいていくゲームなので、下手(したて)と上手(うわて)では考え方がまるで違ってきます。

上達すればするほど初心者の頃の気持ちを忘れてしまい、下手に伝えることが難しくなってしまう側面もあります。

初心者、初級者の指導は囲碁における難題なので、今回は中級以上の方に向けて説明していきます。

地とはすなわち「死活」のことです。

ここで地である条件をまとめてみましょう。

①(周りを囲まれても)生きていること

②(空間の中に入られても)殺せること

まずは自分の石が生きないことには地になりません。

最終的に死んだ石は相手の地になってしまいます。

そして生きることができたとしても、中に入られて空間を荒らされてはいけません。

相手が入ってきて生きるスペースがあるようでは、まだ地として確定していません。

つまり「生き」「死に」を完全に兼ね備えたものが最終的に「地」と呼べるわけです。

完全に生きている石、かつ相手の石が入ってきても殺せる空間を「地」または「確定地」と呼びます。

石取りの本質とは?

さて、今度は石の説明をしましょう。

囲碁では「石を囲うと取る」ことになります。

これが囲碁の唯一無二のルールです。

(※細かいルール説明は省いています。)

「呼吸点」と呼ばれる路(みち)を塞いでいけば、1個の石に対して4手で取ることができます。

盤端を利用すれば、2,3手でも取ることができます。

それでは、石を取られないようにするにはどうしたらよいのでしょうか?

アタリ(取られる一手前)になったときに囲まれないように石を逃げます。

相手がダメ(呼吸点)を詰めてきたら、全部詰められないようにダメを増やします。

このやり取りが最終的にどうなるのか、皆さんはよくご存知でしょう。

そうです。結局のところ、いくら逃げ回っても最後にはダメが全部詰まって取られてしまいます。

取られないためには「眼」と呼ばれる内側のダメ(呼吸点)を2つ作る必要があります。

内側にダメを2つ持てば「着手禁止点」であるため、同時にダメを潰すことができません。

石を取られないようにするには「眼」(着手禁止点)を2つ持って生きれば良いのです。

一旦話を整理します。

①石のダメ(呼吸点)をすべて囲うと取れる

②眼(着手禁止点)を2つ持てば取られない

③眼が1つ以下なら最終的に取ることができる

※眼とは「内側のダメ(呼吸点)」であり、「着手禁止点」でもあります。

つまり「石を囲うと取る」というルールを応用していけば、最後には「死活」になります。

ちなみに着手禁止点もルールで定められていますが、特に定めなくてもゲームに支障はありません。

理屈としてはポン抜きした形の同点に打つなら、そのまま取られて相手番です。

黒番でポン抜きした形に突っ込むなら、黒一子を取られた上で白番ということになります。

結局のところ2手打ちできない以上、2眼を潰されることはありません。

「死活」や「着手禁止点」など、ポン抜きのルールを応用していけば自然と行き着くルールです。

囲碁のルールにおける5つの基本とは?

※詳しくはこちらをご覧ください。

石~地に至るまで

ここで「地とは何か?」についての話をまとめます。

・地とは死活のことであり、完成された死活は確定地になる。

・ポン抜きのルールを応用していくと死活になる。

石がしっかりしてくると死活になり、死活がしっかりすると地になります。

つまり囲碁は「石を囲うゲーム」であり、それは同時により良い形の死活を目指して最終的に「地として確定させる」ことなのです。

この双方のつながりはよく考えれば当たり前のことかもしれません。

しかしこれをしっかり認識して打っている方は非常に少ないのではないでしょうか。

というのも皆さん、特に級位者の方の多くは最初から地を囲いに行こうとします。

これは囲碁のゲーム性に沿って考えると非常に効率が悪いと言えます。

なぜなら石がしっかりして、死活になり、地になるまでには相応の石数が必要になるからです。

小目の小ゲイマジマリなど、隅なら簡単に死活を作れるでしょう。

しかし辺や中央では序盤は石がパラパラしていてとてもまとまりません。

それを一生懸命囲おうとしても小さく囲うことしかできずに、結果的に小さい地しか得られないことになります。

「布石」とは囲碁から生まれた言葉です。

まさに石を敷く、布陣させるのは囲碁でしかあり得ないことでしょう。

布石ではまだ地を囲う準備段階です。

囲碁には布石、中盤、ヨセの三つの工程があります。

まず布石では中盤戦の戦いを見越して、広く自陣を構えておきます。

そして中盤戦ではお互いの勢力がぶつかり合ったところで戦いが起こります。

相手の勢力圏に入って戦いになることもあるでしょう。

戦いとは石の囲い合いであり、すなわち死活のことです。

中盤の戦いを経て、ようやく死活が安定してきます。

そこで初めて地として囲うことができます。

あとはお互いにヨセて境界線を決めていくだけです。

「地が死活の完成形である」ということを理解できれば、戦いを避ける愚行も自ずとわかってくることでしょう。

相手が自分の勢力圏に入ってくれば戦わなくてはなりません。

戦いながら石を固めていき、ひと段落したら地として囲うことができます。

相手の勢力圏に入るときも同じなのです。

常に死活を意識していなくてはならず、狭いところで逃げ回っていては最終的に囲える地も小さくなってしまいます。

囲碁は「最終的に地の多いほうが勝ち」です。

最初から確固たる地を持つことは難しく、また大きく囲えません。

序盤で隅を打ち終えたら真ん中が広く空いており、中盤においては中央の競り合いによって形勢の優劣が決まります。

高段者、およびプロなら隅の死活に関わるせめぎ合いにはとても神経を削ります。

死活における形の良し悪しがそのまま地の効率に関わるからです。

結局のところ石がぶつかったときの「連絡と分断」の成否、それによって石の強弱が変わってきます。

石の強弱は死活に直結します。

死活における形の良し悪しによって、相対的な地の大きさが決まります。

「地とは何か?」について結論を簡単にまとめます。

“地とはしっかりした石の囲いであり、相手が入って来れない空間である。”

このことをよく理解することで、囲碁のゲーム性の一端を掴むことができるのではないでしょうか。

あなたも「石の囲い~地の囲い」に至るまでのプロセスを実戦で感じてみてください!